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『ラ・ラ・ランド』鑑賞

デイミアン・チャゼル監督

ちょうど数日前に、同じ監督の『セッション』を観たばかりなんだけど、監督の「アートには(いくばくか? は置いておいて)狂気が必要」という考えにはとても共感しました。

そして、パリ行きの前のオーディションのストーリーテリングのシーンでのミアの歌には、misfitsたちを応援し高らかに歌い上げるヘドウィグの『ミッドナイト・レディオ』と同じものを感じて泣いてしまいました。少しの狂気が新しい色を見せる。

https://www.youtube.com/watch?v=UM-ZPAF2Dpw

最後のシーンをどう捉えるかは、ひょっとしたら人によって結構違うのかもしれない。俺には、それぞれが歩み得た可能性(あり得たかもしれない別の人生)に思いをはせながらも、過去と現在の自分と状況を受け止め受け入れていることを、そして与えられた大きな影響への感謝を示しているのではないか。

1週間ほど前に、『マチネの終わりに』という小説を読んだばかりだったんだけど、音楽家の男性を主人公としたストーリーで、恋愛と運命の受け入れ方とか、なんだかまるで姉妹のような作品だと思わざるを得ませんでした。

それにしても、この監督の映画の終わらせ方ときたら…。これ以上の終わらせ方ってないよね?

と、重たいところを最初に書いたけど、そういう重たさとは無縁の、なんというか「可愛らしさ」もたっぷり備えた映画ですよね。そして、監督やスタッフの「楽しませよう」という気持ちががあちこちにあった気がします。

出てくる人たちのちょっと皮肉を効かせる感じもとても好みでした。

多分、映画評みたいなのを観たら、「そういうことか」みたいな捉え方がいろいろ出てきそう。でも、なんだかまだしばらくはそういう批評から距離を取って、自分の中に沁みていくのを楽しもうかなと思っています。

そして、ちょっと経ってからもう一度観たい。